生活

奥様海外赴任体験談シリーズ:バンコク編

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
View of Bangkok from Golden Mount

「外国語が話せなくても海外に住むわけじゃないから大丈夫」と思っていたら、旦那さんの海外赴任が決まってしまった! そんな時、みなさんだったらどうしますか? 日本に残るという選択肢もありますが、旦那さんも異国で一人、上手くやっていくのは並大抵のことではありません。夫婦で協力して苦難を共にして、絆を深めてみてはいかがでしょう。
しかし、いざ海外で生活するとなると、「日本語の通じない場所でちゃんと生活できるかな」「子どもの学校関係はどうしよう」と不安に思うことも多いですよね。
そこで、今回から4回に分けて海外に駐在経験のある奥様たちの体験談を国ごとにご紹介します。経験者のリアルな声を聞いて、海外生活のイメージトレーニングをしておけば、現地に行っても慌てずに行動できるはず。
第一回目を飾るのはタイの首都・バンコクに赴任した奥様です!

◆今回取材に協力してくださった海外赴任経験者◆
とみえさん(仮名)
赴任国:タイ(バンコク)
期間 :4年半
家族 :夫、息子(赴任時2歳)、娘(赴任中に妊娠)

 

目次
1.経験者からのアドバイスが何よりの情報
2.言葉と文化を勉強して暮らしの基盤をつくる
3.子どもの学校選びはよく考えて
4.トラブルは絶対に起きる!無理せずじっくり対応を
5.帰国後の生活の準備もしっかり
6.無理せず楽しみながら生活しよう!

1. 経験者からのアドバイスが何よりの情報

ThinkstockPhotos-179016606

商社にお勤めの旦那さんと、当時4歳の息子さんと暮らしていたとみえさん。

「海外赴任の話を夫からはじめて聞いた時は驚くのと同時にとても悩みました。でも息子がまだ小さく、転校などの心配をしなくてもいいこの時期だったら一緒に行けると思ったんです」

海外赴任を決めたとみえさんは、情報収集に力を入れました。

「特に経験者にお話を聞くことができたことは大きかったですね。夫の部署内にバンコク赴任の経験があって同年代の子どももいるご家庭があり、奥さんから色々なアドバイスをいただきました。実は夫の会社が海外赴任する家族向けのセミナーを行っていたのですが、子連れでは参加できませんでした。だからなおさら、行く前に準備すること、海外での生活のことなどリアルな情報を知ることができてとても助かりました」。

同じ妻・母親という立場でしか気づかないことまで聞くことができことは、とみえさんが持っていた漠然とした不安を軽減してくれたのです。

「また、夫と同じ会社で既にバンコクに海外赴任している奥さんたちが所属する婦人会があるというのも心強く感じました」。

出国前には日本にいるうちに完璧に準備をしようと焦る気持ちもあったといいます。例えば、海外に行く前には受けなければならない予防接種が大量にありますが、子どもは予防接種に間隔を空けなければいけません。しかし海外赴任を知らされてからでは、すべてを受けさせるのは難しい状況だったのです。そんな時、お医者さんから「日本では最低限の分だけで大丈夫。現地で残りを受けることもできますよ」という言葉をもらい「ああ、海外に行った後にもできることがあるんだ。いま完璧にしなくてもいいのか」と、安心したのだそうです。

2.言葉と文化を勉強して暮らしの基盤をつくる

とみえさんの旦那さんの会社では、海外赴任の際は夫が先に赴任国に行き、その家族は3カ月後に移住するという決まりがありました。しかし、現地でも色々決めなければならないことが多かったため、とみえさんは移住ではなく観光という名目で1カ月後に現地入りをしたといいます。バンコクでの住まい探しは旦那さんに丸投げせず、一時帰国したものの電話やメールなどで旦那さんと相談して決めたといいます。

「日本の方が一番驚くのは、タイに移住する時は必ずメイドとドライバーを雇わなければいけないということではないでしょうか。特に日本人は人を使うことに慣れていないから、戸惑ってしまうかもしれません」。

とみえさんも最初はどうしていいかわからず、婦人会から紹介してもらったメイドを雇いました。メイドさんは食事や掃除、洗濯など家事全般を担当してくれるほか、ベビーシッターも引き受けてくれます。しかし、メイドもドライバーも現地の人なので、タイ語しか話せません。とみえさんも行く前に多少タイ語を勉強していましたが、子どもの世話をしてくれるメイドとコミュニケーションをとるために本格的にタイ語を勉強しなければならないと決意しました。

タイ語の勉強は会社から語学学習用の予算も支給されていたので、そのお金を使って婦人会から教師を派遣してもらい1日1時間レッスンを受けたそうです。さらに家で自習も積極的に行い、1ヵ月ほどで日常会話に困らない程度まで上達しました。

「子どもや家庭を任せるメイドやドライバーと意思疎通ができたり、誰かが病気になった時に病院でしっかり説明ができることが家族を守ることにつながるという意識がタイ語習得のモチベーションになっていました」。

3.子どもの学校選びはよく考えて

タイに駐在中に子どもが学校に通う年齢になったため、現地で学校を探しました。婦人会の人に学校を案内してもらいながら慎重に検討したそうです。

「ESL(※)のある・なし、あってもESLにどれくらい力を入れているかなど、婦人会で聞いて回るなどしてしっかり下調べしました。インターナショナルスクールではESLから通常課程に移行することに劣等感を感じるご家庭もあります。でも子どもが上手く喋れずに友達ができなかったり、クラスについていけなくなったりしてノイローゼになってしまうケースもあります。そうなるくらいならESLに入ってしっかり英語ができるようになったほうがいいと私は思います」

ESL…英語を第二外国語として学ぶプログラム。English as a Second Languageの略。インターナショナルスクールではたとえば、英語が満足にできない状態で入学した子どもをまずESLに入れて1年ほど勉強させてから、通常課程に乗せます。

 

入学に向けて、旦那さんが一緒に学校の手続きをしてくれたそうです。小さなことでも、旦那さんができる範囲で不安を取り除いてくれるのが助かった、ととみえさんは話します。

4.トラブルは絶対に起きる!無理せずじっくり対応を

ThinkstockPhotos-187739269

赴任前に情報収集を欠かさなかったとみえさんも、実際に海外で生活しているとトラブルが起きてしまったことがあります。

メイドを1年で解約

タイで一番最初に雇ったメイドが子どもに軽い虐待をしていたことが発覚。さらにとみえさんは当時、娘さんを妊娠していたため新しいメイドを探すことにしました。

「新しいメイドを探すのは難しくなかったですよ。あちらに行っている日本人がたくさんいるマンションに住んでいたので、“新しいメイドを探している”というと、すぐにマンション中に知れ渡り、候補者を紹介してもらえたんです」。

既にタイ語が話せるようになっていたため、2人目のメイドとはしっかりコミュニケーションをとり、良好な関係を築くことに成功したそうです。帰国後もしばらくメールなどのやりとりをするほど仲良くなったのだとか。

婦人会内の人間関係がうまくいかない

最初は頑張って多くの人と仲良くしようとしていたとみえさん。しかし、海外生活が長くストレートな物言いをする奥さんたちとぶつかり合ってしまうことも。

「ストレスを溜めて人にあたってしまったり、お酒に逃げるようになる前に、誰かに助けを求めた方が自分も周りも心が楽ですよ」。

とみえさんはカウンセリングに行くようになってからは無理して多くの人と仲良くしようとせず、少人数でも深く・真摯に向き合うようになったといいます。交流を深めた人と遊びに出かけたり、情報交換をしたりすることでストレスを発散させていたのです。

インタビュー中、サバサバとした印象のとみえさんですら、カウンセリングに行かなければならないほどつらかった時期があったのか、と驚きました。「赴任者家族は、旦那さんは異国の新しい職場になじむのにいっぱいいっぱい。奥さんは現地の生活や習慣に慣れて行くのにいっぱいいっぱい。カウンセリングなど、お金で解決できることがあれば、お金を使った方が家族のためだと思います」ととみえさんは話します。

卵と魚は食べられなかった

「食べ物は、最初こそ色々警戒していましたが臭みの強い魚類以外はすぐ慣れましたよ。でも、一度卵からサルモネラ菌が出て息子がお腹を壊してしまったので、それ以降は避けるようになりました」。

食の安全性を意識しなくても大丈夫だった日本と違い、国によっては食べ物には注意を払わなければいけません。また、子どもが病気になった際、迅速に的確な治療を受けるために現地の言葉を話せるようになっておくのは大切だといいます。

子どものしつけ方の違い

海外駐在中に娘さんを妊娠・出産したとみえさん。子どもの面倒を見てくれるメイドさんにしつけも任せていましたが、タイ風にのびのびと育てられていたため娘さんは「座って何かをする」ということが苦手でした。また、タイの車文化にも落とし穴が。タイでの生活では家を出たら行き先まで車に乗るため、車がびゅんびゅん通る道を歩いたり渡ったりするということがなかったのです。そのため娘さんは「気をつけないと車に轢かれる」ということを知らず、帰国後、車道に飛び出してしまうことも。

「文化の違いでこんなに影響が出るとは思いませんでした。特に車道に出てしまうというのは事故にもつながってしまいますし、そういった日本とタイとの生活や文化のズレは帰国後にお受験塾で矯正しました」。

駐在員の文化にも戸惑った

タイに赴任しているどのご家庭も旦那さんは週末に接待があり、休みの日でもあまり家にいなかったといいます。

「ほかに日本人もいるとはいえ、やはり家族が一番親しい人ですからね。子どもや家の面倒を見るのが自分だけになってしまい、夫が家にいないことにストレスを感じる奥さんも少なくなかったようです」。

とみえさんも赴任直後は今後の生活に対する不安などもあり、旦那さんが家にいないことに戸惑いを感じていました。しかし、「郷に入れば郷に従え」。こういった文化に旦那さんが合わせられるようにしてあげるのが妻の仕事と割り切れるようになってからは気持ちも楽になったそうです。

5.帰国後の生活の準備もしっかり

ThinkstockPhotos-79071625

海外生活にも慣れ、そろそろ帰国後の生活のことも考えなければならない、と感じはじめたころ、一時帰国(※)をしたとみえさん。子どもの学校や新しい家探しなどは帰国中に集中的に行ったといいます。

子どもの学校は「子どもには色々な国の人と接して欲しい」という考えのもと、インターナショナルスクールに決定。海外赴任したご家庭は帰国後に一般的な学校に入れる人が多い傾向にあるそうですが、迷いはなかったそうです。

インターナショナルスクールでは特に、学年を選ぶことができるといいます。

「赴任先で通っていた学校の様子、日本の学校との違いなどを考慮して同年代の子どもより学年を一つ下にすることも視野に入れました。日本では一学年下がるのは恥ずかしいなどと思われがちですが、他の国では普通です。子どもに背伸びさせて無理をさせるより、その子に合ったペースで学ばせることの方が大切だと思います」。

帰国の際に大変だったのは物が増えすぎていたこと。

「新居はアパートに決めたのですが、バンコクで住んでいた家は250㎡もあったんです。だから、新しい家に持っていけないものや売れそうなものはバンコクで売ったりあげたりして荷物を減らしてから帰国しました。一晩の酒代くらいにはなりましたよ」

と笑うとみえさん。

6.無理せず楽しみながら生活しよう!

「最初は言語や文化の違いに戸惑うことも多かったです。でも、食べ物はおいしいし、優しい人も多かったから、今ではずっと住みたいと思えるくらいタイが好きになりましたよ」

4年半のバンコクでの生活を振り返り、とみえさんは語ります。滞在を通して、現地にいる日本人同士はもちろん、メイドやドライバーなど現地の人と信頼関係を築いていく大切さを知ることができたといいます。

「家族の絆も深まりました。夫は休日に一緒にいられない分、平日は必ず定時に帰ってきてくれるようになり、以前よりずっと家族の時間を持てるようになったのです。本人いわく、仕事の効率がグッと増した。ダラダラ仕事をせず、バリバリ働いて定時に帰るのが習慣になった、と。また、家族に仕事の愚痴や弱みを見せてくれるようになり、お互いが支え合っているのだと実感できています」。

これから海外赴任をする方には「とにかく情報収集が重要だということと、自分なりの赴任生活を作って行くことがすべてということを伝えたい」と、とみえさん。現地の文化や習慣はもちろん、その中で自分たちはどう生活するか、家族でどう支え合っていけるのか、育児環境はどうなのか、常に先のことまで考え、赴任後の生活も見据えて情報を集め、夫婦で話し合うのがとても大切です。

「どうしても不安、行ってからもう無理だと感じたら、行かない・帰国するというのも悪いことではありません。完璧な海外赴任を目指すのではなく、楽しい生活が送れる方法を模索する!というくらいの気持ちで楽しみながら過ごしてもらえたら、と思います」。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

英語学習法をメールで無料購読
無料EBook:旅行英会話と日常英会話を、聴いて話してマスターするトレーニング教材つき

ベルリッツの教師が本無料EBookや、お手持ちの英語教材を使った学習法を、全15回にわたりメールで伝授します。ぜひお気軽にご登録ください。

今までたくさん英語学習をしてきたのに、いつまでも上達しない

  • ・英語が話せるようにならない
  • ・上手く聞き取れない
  • ・カタコト英語になってしまう

こんなことでお困りではありませんか? 英語の学習で一番大切なことは、英語を英語のまま聞き取り、英語として発音できるようになることです。

pic_cta

この無料EBookは、実際に旅行をしたり、日常生活をしたりする際に困らないよう、 全25シチュエーションを音声つきでトレーニングできる内容です。

繰り返し練習することで、必ず英語を使いこなせるようになります。 本当に使える英語力を養って、ぜひグローバル社会で活躍してください。


無料メルマガの購読はこちら

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

eighteen − 14 =